民泊のメリット・デメリットを利用者とホスト側両方の観点から解説

近年、利用しなくなった部屋などを旅行者に有償で泊まってもらう『民泊』という新しい宿泊ビジネスが注目されていますね。

旅行者からしてみれば、広い一軒家などに格安で泊まることもできたり多くのメリットがありますし、ホスト側(貸す側)からしてみても空いている部屋を使って収入を得ることができることは大きなメリットです。

それに日本という国という規模で言ってみても、年々増えていっている訪日外国人の宿泊先対応などで一役買っているわけです。

そのようなメリットが非常に多い民泊ですが、当然デメリットもいくつかあります。

今回は、民泊に関するメリットとデメリットを【借りる側】【貸す側】それぞれに分けてご説明していきたいと思います。

民泊と他の宿泊方法との違い

旅行などでの宿泊先となると、ホテルや旅館、民宿などが昔からありますが、お伝えのように近年では民泊という新たな選択肢ができてきました。

まずは、民泊とはどのようなものか?他の宿泊方法との違いを簡単にご説明していきます。

業としているかどうか

まず民泊の一般的な意味として、「投資物件や住宅の空き部屋を一時的に宿泊客に貸し出すこと」と言えます。

ここで大事なことは一時的に貸し出すということです。

新法民泊(住宅宿泊事業法)では、180日を超える営業ができないようになっています。

あくまでも貸し出す部屋や家は投資用や余っている部屋など、もともと商売として人を泊めるための場所では無かったということになります。

無償での提供もあり

もともと民泊とは、住んでいる場所や空いている部屋を誰かに貸し出すという意味で使われていました。

ですので、地元の友人が東京に遊びに来た時に自分の家の部屋を貸してあげることも民泊と言えるのです。つまり、上と関連しますが、業としてお金をもらわなくても民泊です。

ただ、最近の民泊ビジネスや訪日外国人の増加により、民泊でもお金を払う(貰う)という認識になってきています。

対個人という面白さ

ホテルや旅館などは会社などが運営していますので、地域による違いこそはあるもののやっぱりホテルだよね~という安心感というようなものがありますね。

それと違って、個人で貸し出しているからこその面白さを民泊は持ち合わせています。

ホストの方や現地の方と密にコミュニケーションを取ったり、現地の人たちと馴染んで生活したりとホテルや旅館とはまた違う楽しみ方ができるのです。

借りる側|民泊を利用するメリットや魅力

それでは、早速民泊のメリットからご説明していきます。

まずは、借りる側(ゲスト側)にはどのようなメリットや魅力があるのでしょうか?

格安で泊まれる

まず、民泊を利用する大きなメリットが費用の面。

価格は貸す側(ホスト側)が決めますし、借りる場所のタイプも一軒家からマンションの一室まで様々なのでピンキリなのですが、基本的にホテルや旅館に泊まるよりも明らかに安くなってくると言えます。

例えば、国内の観光地に1泊すれば1人だいたい食事付きでも1万円前後が基本的なラインになってくるかと思います。

民泊を利用すれば、食事は出ないにせよベッドが3~4つあるところでも1泊5,000円未満で泊まれる場所はざらにあります。

ホテルなどでは味わえない体験ができる

ホテルなどに泊まれば、綺麗にベッドメーキングされたお部屋や朝のバイキング、少し値段が上がりますがプール付きなど、日常では味わえない1日を送れるところは大きな魅力です。

しかし、民泊には民泊でホテルではできない楽しみ方をできるというメリットもあります。

例えば、民泊ではキッチンも貸してくれる所も多いので、宿泊先の近くの地元のスーパーで食材を買って料理を作ることもできたりしますし、一軒家を貸し切って大人数でちょっとした修学旅行のようなこともできたりします。

また、特徴的な民泊も少なくなく、漫画やゲームが大量に置いてあったり、ホストの方とホームステイのように一緒に過ごすこともできたり、楽しみ方はその民泊先によって様々です。

現地の生活を身をもって体感できる

特に海外で民泊を利用するような場合は、現地の生活をリアルに体験できるところも大きなメリットであり魅力でもありますね。

特に海外や地方は敷地が広いことも多く、庭でバーベキューをしたり部屋の中でまったりしたりと、むしろ観光よりも宿泊先が楽しい思い出になったなんてこともあり得ますね。

借りる側|民泊を利用するデメリットや注意点

一方で、民泊を利用する場合のデメリット・注意点については以下のような内容が挙げられます。

最初にまとめておきますと、ホテルのようなきちんとした設備・サービスが整っているわけではないので、ある程度旅慣れた方が民泊をより上手に使いこなせるかと思います。

アメニティ類が少ない

ホテルに泊まれば、歯ブラシやドライヤーなどのアメニティグッズは基本的に用意されているでしょうが、民泊の場合必ずしもそうとは言えません。

あるもんだと思い込んで行ってみたはいいものの、民泊先に着いてみると何もなく困った事態になることもあり得ます。

事前にどのような物が準備されていて何が必要になるのか?ということは民泊サイトできちんと確認して、必要であればホストに質問しておきましょう。

立地が悪いこともある

また、民泊はもともと宿泊施設として建てられたものではありませんので、必ずしも観光地や市街地などの立地が良いとことにあるわけではありません。

上のようにアメニティが全然なかったら近くの店で買えばいいやと思っていたら店も無かったなんてこともありますね。

また、建物そのものも普通の民家やマンションの一室なのでどこが民泊先か探し出すのに一苦労するかもしれませんね。

こちらも事前にきちんと立地や住所、周囲にあるお店などを確認しておきましょう。

海外では英語や現地語しか通じないことも

日本人観光客が多い海外のホテルであれば日本語が通じるスタッフがいたりするのですが、海外の民泊を利用する場合は基本的に日本語が通じないです。

ホストとのやり取りも英語や現地語でのやり取りになるので予約を取るのにも一苦労。場合によってはトラブルになってしまう可能性もあり得ます。

貸す側|民泊をはじめるメリット

それでは以降では、今度は貸す側(ホスト側)として空いている部屋などで民泊をはじめるメリットについてご紹介していきたいと思います。

使っていないスペースを有効活用してお金も得られる

民泊をはじめる大きなメリットはなんといってもこちらでしょう。

空いている部屋や家などを有効活用してお金を貰えますし、観光客の為にも役立つことができるのです。

お子さんが成人して使わなくなった部屋や相続したけど全く住まない一軒家、不動産投資でアパートを持っているけどなかなか部屋が埋まらないなど、色々な状況があるかと思いますが、民泊利用は効果的な解決法の1つだと言えますね。

極めて低コストで始めることが可能

そして、民泊をはじめるにあたって新しくなにか設備投資をしなくていいところも大きなメリット。

利用者が泊まって困ることがないように、最低限のベッドやテーブルなどの家具がそろっていればOKです。

もともと生活を送っていた場所であればほとんど費用はかからないでしょうし、まっさらな物件を民泊利用する際もちょっとした家具を揃える程度ですので、ペンションや民宿のような宿泊施設で営業をはじめるよりも圧倒的な低コストではじめることができます。

やりがいを感じられる

脱サラしたり定年退職後にペンションなどの宿泊業を営む方は結構おられます。

旅行が好きな方や観光地の近くに住んでいる方などは特にその気持ちも大きいのではないでしょうか?

本格的な営業とはいきませんが、上でもお伝えしたように圧倒的に低コストでお試し感覚で宿泊施設の運営をすることができるところもメリットですね。

特に民泊は利用者との距離も近いのでコミュニケーションを密に取ることがやりがいの1つになるかもしれませんね。

貸す側|民泊をはじめるデメリットや注意点

もちろん貸す側にも民泊をはじめることによるデメリットはあります。特に民泊利用者は外国人観光客がかなり多いので、文化や言葉が違うゆえのトラブルなどもある程度想定しておかなくてはなりません。

汚されたり壊される可能性がある

人に泊まる場所を提供するわけですから、何かが汚れたり壊れたりすることは想定しておかなければなりませんね。

高価な物は当然貸し出す場所に置いておくべきではありませんし、トイレなどの水回りは文化が違うので思ったよりも汚れていたなんてこともあり得ます。

ご近所からの苦情がくる可能性がある

マンションの1部屋などを民泊利用するような場合、不特定多数の人が利用することになりますので、騒音やゴミ出しに関するトラブルなどの苦情が入ることもあり得ます。

利用者は外国人が多い

もちろん外国人だから悪いとかそういうことでは無いのですが、言葉が通じないことや文化が違うことでの思わぬトラブルが生じる可能性もデメリットとしてあります。

利用者とのやり取りや民泊サイトでのPR文などを英語で書いたりと少し手間が出てきますし、上でも触れたように文化が違うゆえのトラブルも起きやすくなってきます。

民泊に関する法律がある

当サイトは民泊利用者(ゲスト側)のサイトなので詳しくは書きませんが、民泊をはじめるにも法律があって(年間180日を超えた宿泊はできないなど)、誰でも自由にできるというわけではありません。

誓約書を作ったりとそういった作業も増えてきて民泊代行業者なども登場してきています(もちろん費用がかかります)。

ペンションや民宿などの宿泊施設を作るのに比べると圧倒的に低コストで始められますが、気軽すぎるというわけではありませんので、そのあたりを念頭に置いていただければと思います。

まとめ

いかがでしょうか。以上が民泊に関してのメリット・デメリットです。

利用者としての観点から言えば、デメリットも少なくあなたの旅行を別の角度から楽しいものに変えてくれるサービスでもありますのでちょっと気になる方は民泊の利用をトライしてみてください。